携帯電話の普及は目覚しいものがあります。
 平成元年の携帯電話の加入者数は49万人ほどでしたが、平成2年には87万人、平成8年には2,088万人、平成14年7月には7,127万人にまで達しています。
爆発的とも言える普及の背景には、携帯電話の小型化、軽量化、本体及び加入料等の低価格化(無料化)などがあります。

この携帯電話の普及により我々は、どこにいても必要な人に素早く確実に連絡できるようになったのです。

  ところで、税法上電話加入権は減価償却できない資産とされますが、現在携帯電話の新規加入料等の役務の提供を受ける権利は、電話加入権には該当せず、減価償却資産である電気通信施設利用権として扱われます。
ちなみにこれ以前の取扱いの変遷を辿ってみると、携帯電話が普及しつつあった平成2年には、通達改正により携帯電話の加入料等の権利は、非減価償却資産である電話加入権に準ずるものとして取り扱うこととされました。

その後、携帯電話の爆発的普及により、加入料等の低価格化(無料化)が進み、権利の市場性が希薄になったこと等により、平成8年の通達改正において、減価償却資産である電気通信施設利用権とする現在の取り扱いになったのです。

  また電気通信施設利用権は耐用年数が20年ですが、今日電話事業者の価格競争により、携帯電話の新規加入料等が10万円未満になることが殆どです。
この場合 その取得価額は、その権利を取得し、事業の用に供した日の事業年度において全額 を損金の額に算入することができます。

 携帯電話の普及は、我々の生活をとても便利にしました。もはや手放せないとい う人は少なくないでしょう。
しかし就業中やお客様との会話中に、突然自分の携帯 電話の着信音が鳴り、びっくりした経験は誰でも一度はあるはずです。また他人の 携帯電話の着信音や、通話を快く感じない人もいるでしょう。携帯電話の利用者の マナーの問題ですが、このような事態に対応するために、社内外での携帯電話の取 扱いについてのマニュアルや、決め事を作成する必要があるのではないでしょうか。

2002.10.01
moritax.com-editor 税務コラム