その相手とは24回対戦し、一度も勝てなかったとか。立ちはだかる「巨大な壁」をワールドカップ決勝という大舞台で、『なでしこ』たちが、撃破しました。
『なでしこ』とは、日本女性の清楚な美しさをたたえる言葉、大和撫子(やまとなでしこ)を基につけられた日本代表女子サッカーチームの愛称ですが、彼女たちには力強さと忍耐力も備わっていました。劇的な活躍にも係わらず、主力選手の多くが働きながらサッカーを続けているそうです。

 戦後スポーツに限らず、日本女性の社会進出には目覚ましいものがありますが、その女性の就労促進を阻害している「壁」が税法の規定の中にあるといわれています。「103万円の壁」配偶者控除のことです。

 配偶者が給与所得のみを有する場合、給与の収入金額が103万円以下であれば控除対象配偶者となり、配偶者控除を受けることができます。この規定は家族手当の基準として用いられ、また社会保険の扶養になれるかどうかの一つの基準である130万円の範囲内です。この規定があることにより、女性の労働時間が伸びず、社会進出の弊害となっている場合があります。しかし安易にこの規定を廃止してしまうと、低所得者の生活を圧迫しかねません。

 日税連はH24年度税制改正に関する建議書において、社会情勢の変化や配偶者の就労促進の観点から、この制度を廃止するか、これらの適用要件である所得金額の基準の見直しが必要であり、また基礎控除の拡充をあわせて検討すべきであるとしています。社会保障制度の見直しについてもリンクさせて検討するべきでしょう。目の前にある「壁」は我が身を守ってくれるものなのか、阻害要因となっているものなのか。家族構成、価値観、ライフスタイルなどの違いにより、想いは人それぞれです。

 恵まれているとは言い難い環境下でも決してあきらめず、快進撃を続けた『なでしこ』たちのさわやかな笑顔は、多くの人たちに勇気と希望を与えてくれました。頑張ればどんなことでも出来る。
 そんな気持ちにさせてくれた彼女たちに感謝します。

2011.08.01
moritax.com-editor 税務コラム