最近オフバランス経営という言葉をよく耳にしますが、これは、会社にある無駄な資産を削ぎ落として財務体質を改善して行くというものです。
 
 その中でも急増しているのは、企業の保有する土地やオフィスビルなどの不動産を小口の証券に仕立て直して投資家に販売し資金調達するというものです。不動産の証券化などと言われていますが、賃貸料など土地や建物から生まれる収益を利払いにあてる証券を発行し市場から資金を調達する仕組みになっています。
 
 具体的には特定目的会社をつくりその会社に不動産を買取ってもらいます。特定目的会社はその買取った不動産を賃貸マンションの経営などをして収益をあげ、証券を発行した投資家に利子や配当を支払います。実際、会社として資産や借入金を圧縮できるなど、不動産を売却したのと同じような効果が得られ、財務体質改善に活用する企業が増えています。
一方、投資家層としても比較的利回りの高い証券として人気も上がってきているようです。

 中小企業においては、なかなか不動産の証券化まではできないかと思いますが、他にも会社に眠る資産を見直して有効に活用していくことはできるのではないかと思います。

 身近なところでは、不良化してきている売掛債権があれば早期の回収、必要としていない在庫があれば在庫の処分や圧縮、固定資産を売却するなど、社内に眠る資産を見直すことにより経営資源を資金化(アセットファイナンス)し財務体質を強化していくことがより必要になって来ると思われます。

 試算表や決算書を見ると、会社の成績表である損益計算書にばかり目がいってしまいがちですが、もう一度、自社の貸借対照表をじっくり見直してみてはいかがでしょうか。

2003.10.09
moritax.com-editor 税務コラム